紙本淡彩
南北92.1mm×東西107.5mm
延徳3年(1491)
宝来山神社蔵
紀伊国桛田荘絵図は中世の村落景観を描いたものとして有名で、中学校(社会科)、高等学校(日本史)の教科書にも取り上げられています。
桛田荘は紀の川の中流域、現代のかつらぎ町笠田地区にあり、西暦1183年(寿永2年)に後白河法皇が文覚上人の働きかけに応じて京都神護寺に寄進された荘園です。
この絵図を見ると八幡宮(現在の宝来山神社)や堂(現在の神願寺)、万葉集で名高い妹山、背山、紀の川の中洲にある船岡山などが描かれ、又紀の川の北側に広がる水田、農民の集落を表す家々など当時の荘園の様子を伝える貴重な資料となっています。
なお絵図は京都神護寺にも同様のものが残されており、いずれも重要文化財に指定されています。